村上龍 『69 sixty nine』
実は村上龍には、どういうわけか苦手意識があった。それゆえ、彼の小説を通して読んだのはこれが初めてだ。なぜなのかは、よく分からない。考えてみたが、多分、単にあの顔が苦手だったのかもしれない。あと、なんとなく偉ぶってるイメージがあった。経済評論みたいなんをしてるせいかもしれない。
この小説に関しても、正直言って、書き方に気に喰わない点はある。「〜、というのは嘘で、単に〜なだけだ。」みたいな書き方。気持ち悪いことこの上ない。ヘロヘロである。ところどころで、単語をでっかい文字で表記しているのも気に喰わない。小手先のなんたらというヤツである。
だけどね、全体としてはおもしろく読んだよ。1969年。受験勉強をする奴は資本家の手先だ、なんて便利な風潮が流れていた頃。東大が入試を中止し、ヒッピーは愛と平和を訴えていた時代。高校生の主人公とその仲間たちは、バリケード封鎖を敢行し、フェスティバルをうちあげる。祭りだ。俺も祭りが好きだ。
サイモン&ガーファンクルを好いとった女に、主人公は「ジャニス・ジョプリン」のレコードをプレゼントする。クラスメートから無理やりふんだくったレコードだ。ラストシーン、女は今は「トム・ウェイツ」をよくきいていると手紙に書く。
人生は祭りだ。そして、ジャニスでトムなのだ。
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投稿者 Kazu : 2006年04月06日 13:03


