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March 12, 2006

宮本武蔵と帰還

ケープタウンのオブザバトリーという地区に住んでいた頃、俺は陽が沈むくらいの時刻には、たいてい飲んだくれていた。そんな合間に、ちょくちょく立ち寄っていた、ある古本屋があった。

その古本屋はわりと遅くまでやっていたように思う。9時か10時くらいかな。飲食店をのぞけば、あの辺りでは、かなり遅くまで開いている店だ。いつでも、さして混んでいることはない。店員はたいてい本に熱中して、じっとしている。その静かな佇まいが好きで、通りかかると、よく立ち寄っていた。

昨年ここに来た時には、俺は立ち寄る度に、一冊の本に眼を通すようになっていた。それは、宮本武蔵の『五輪書』の英訳だった。遠くアフリカの地で、酒が入った少し重たい頭をかかえて、武蔵の会得した戦いに臨む際の心得なんかを、自分にとって外国語である英語で読んでいるというのは、なんといったらいいのだろうか、とても不思議な心地だった。

眼を閉じて、じっと耳を澄ましていた。古書店の店員が声をかける。おお、ひさしぶりだなぁ。店員を見る。俺には、その店員に見覚えがないように思える。

それでも、俺はにっこり笑って、彼にこたえる。
ああ、かえってきたんだ。

[以下自分メモ]
南アフリカの伝説のジャーナリスト、アリスター・スパークスを調べる。気が向いたら、記事にして紹介する。
ここに最近のインタビューがある。
※このインタビュー、あいまに映画アマンドラのサントラを少し流していたりするので、よかったら聴いてみてください。

投稿者 Kazu : March 12, 2006 05:33 PM



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